老後2000万円不足問題について
こんにちは!
SPOONの中込です。
新潟を中心とした大きな地震がありましたね。被害にあわれた方、お見舞い申し上げます。仕事柄、地震保険の話をよくしますが、このような大きな地震があると日頃の備えの重要性を改めて認識させられます。保険だけではなく保存食品や水などの備えも改めて確認してみてください。
さて、今日のブログはニュースでも毎日のように騒がれている「年金だけでは2000万円足りない?」問題について取り上げていきたいと思います。本当に2000万円足りないのか?何を基準にしているのか?についても解説していきます。
日本年金機構(https://www.nenkin.go.jp/service/seidozenpan/shurui-seido/20140710.html)より抜粋
前回のブログでも取り上げた年金仕組み図ですが、この制度だと2000万円足りないと言われています。そもそも今回の2000万円問題は「夫婦揃って65歳から30年間生きると老後資金が総額で2000万円不足する」との試算を発表した金融庁の金融審議会報告書から端を発し、麻生大臣の発言なども相まって報道が過熱することになってしまいました。
一口に2000万円足りないといわれても、どのような計算で2000万円という数字になったのか。先にも述べたように夫婦そろって65歳から30年間生きた場合に足らない金額の合計が2000万円だそうですが、どのような生活をモデルにしているのでしょうか?
生活モデルと2000万円の根拠は下記の通りです。
出典:総務省統計局HP(https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gy02.pdf)より抜粋
こちらは2017年の高齢夫婦無職世帯の家計収支ですが、収入と支出を比べた場合毎月約5.5万円の赤字です。5.5万円×30年(65歳から95歳まで)=1980万円となり2000万円足らないということになるわけです。
この数字を見て皆さんはどう考えるでしょうか?
上記金額はあくまで平均値をもとにしています。平均値というのは資産も、収入・支出も金額が多い一部の人に数字を引っ張られて水準が高めになりがちです。皆さんの暮らしは千差万別ですから、平均値をもとに老後の心配をしても仕方ないですが、指標の一つになることは事実です。
ですが、もし住宅ローンの返済が残った状態で65歳を迎えたら、働き口を探さなければなりません。また、2000万円問題は厚生年金を対象にした計算です。国民年金の場合、上記計算を当てはめると4000万円以上足りないことになります。
もっとも国民年金のみの方というのは自営業者の方が大半ですので、65歳を迎えたら仕事を継続しつつも、現役時代よりはセーブし一部を年金に頼るという考え方が正しいと私は思います。さらに、厚生年金の方であっても65歳でスッパリ仕事を引退する方は少なくなりました。
そもそも年金制度が出来た当初、日本の平均寿命は60歳前後でした。それが現在では男性81歳、女性87歳と大きく変わり、今後さらに伸びていくことが予想されます。まさに人生100年時代と言われる現代です。寿命が延びた分、長く働くことは当たり前なことなのかもしれません。
ですが、現役世代のようにバリバリ働く働き方は不可能です。あと、数十年先に年金をもらうことになる私たちは、今貰っている方々よりも少ない給付になることが予想されています。当たり前のことですが、人口が減っている日本は年金保険料を払ってくれる人数も減っていきます。払う人が減ってもらう人が多くなれば必然的に、もらう金額は少なくなります。もしくは、支給開始年齢が上がります。一説によると70歳からの支給開始という案もあるそうです。
いずれにせよ、「2000万円足りないというのは個人によって異なる金額だが、多くの人にとって当てはまること」になるのだと思います。
個人的には「年金足りませんよ」という話を政府にされても「知っています。むしろ何を今さら…」と思っていましたが、皆さんはいかがでしょうか?体感的な話にはなりますが、かれこれ10年以上年金足りないという話は方々で出ていたように感じます。だからこそ、以前解説したようなiDeCoや個人年金保険などの仕組みや商品が誕生したのです。
各種仕組みや商品の活用を考えていらっしゃる方は、その前に一度ご自身の年金定期便を見ていただき、将来の年金額を確認してみることをおススメします。同時にライフプランの作成も強くおススメします。ご自身で行うことに自信の無い方は是非私にご相談ください。
老後への対策として、
1、65歳を迎え年金をベースに、長く自分のペースで働くことも選択肢の一つです。
2、現役時代に遊びたいから貯蓄はほぼゼロ。年金で細々と生活する。というのも選択肢の一つです。
3、長生きに備えて各種仕組みや商品を使って賢く運用していくというのも選択肢の一つです。
皆さんはどれを選びますか?
アリとキリギリスという童話がありますが、年金2000万円足りない問題は現代のアリとキリギリスなのかもしれません。冒頭お話した災害への備えと同様、老後への備えもよく確認する必要がありますね。