火災保険と自然災害
こんにちは!
この記事を書いている2020年8月17日は静岡県浜松市で歴代最高気温となる41.1℃を記録しました。ここのところコロナ関連のニュースと並行して、熱中症で搬送された方や死亡してしまった方のニュースもよく目にします。以前のブログでもお話しましたが、今年の夏はこれまで経験のない炎天下でのマスク着用という余計に暑さを感じる夏となっています。コロナもまだまだ落ち着く気配はありませんので、どうぞご自宅でクーラーをつけた環境で本ブログもお読みいただければと思います。
さて、今回は『火災保険と自然災害』と題して、先日熊本で発生した豪雨災害を教訓として、万一水の被害がご自宅に発生したら、ご加入中の火災保険で支払われるのか? また、2021年には火災保険の値上げも予定されていますので、万一災害で家を失ってもコスパ良く建て直すためにはどんな加入の仕方をしたらよいのか? についても解説していきます。どうぞ最後までお付き合いください。
火災保険の基本と水災
まずはどんな災害が発生した場合に支払い対象になるのかについて簡単な表を作成しましたのでご覧ください。
※一般的な火災保険の支払い対象から抜粋したものです。
表を見て頂くと、それぞれ個別に契約しなければならない印象を受けるかもしれませんが、実際には保険会社各社とも「火災保険」としてセット販売しているケースがほとんどです。基本契約として火事等に対応した保険を契約し、風・雪・水はオプションで契約するケースも存在しますが、あまり一般的ではありません。しかし、「水災」だけはオプション契約としてお客様が選択するする・しないを任されるケースはネット損保を中心に未だに多く販売されています。
すでにご存じの通り、ここ最近の日本は毎年のように大雨の災害が発生しています。表中でも黄色のマーカーを引きましたが、大雨や台風、洪水を原因として「家屋の浸水」「土砂崩れ」の被害にあってしまった場合、水災を付けた火災保険でないと何の保障もありません。
ただし、水災保険はオプションに設定されることも多いため、付けなければ付けないで保険料は安くなります。当然保険料は安いに越したことはありませんが、あなたのご自宅を守るうえで、どのような判断基準で「水災」を取り扱っていけばよいのかを見て行きましょう。
水災はいるの?いらないの?
水災の有無の前に実際に被害に遭った場合、どのような計算式で保険金が支払われるのかを簡単に解説します。実は火事等と水災では支払い基準が異なります。
火事や風・雪等の場合
損害額(修理費)-免責=保険金
例)台風で物が飛んできて外壁が傷つき10万円修理にかかる。加入している保険は免責5万円。
修理費(10万円)-免責(5万円)=5万円のお支払い
※実際はこれ以外に費用保険金(お見舞いのようなもの)が支払われる保険会社もあります。
わかりやすいですね。被害を確認し保険会社に連絡。被害個所の写真を撮り、業者さんに見積もりを依頼するだけです。極端な話ですが損害額が1万円、免責ゼロで契約していた場合でもきちんと1万円支払われます。
水災の場合
損害額(修理費)-免責=保険金
ここまでは一緒です。しかし、大前提として次の二点いずれか以上の損害でないと支払い対象とはなりません。
・再調達価額の30%以上の損害を受けた場合
・床上浸水または地盤面から45cmを超えて浸水した場合
再調達価格とは新価とも言いますが保険の対象(この場合は建物)と同等の物を購入・建築したりする際に必要となる金額のことを言います。地盤面というのは、建築工事の際に垂直方向の寸法計測の基準となる地盤高さの水平面をいいます。
例)大雨で近くの川があふれ床上浸水した。損害額は100万円で免責は10万円の保険に加入中。
損害額100万円-免責10万円=90万円のお支払い
※実際はこれ以外に費用保険金(お見舞いのようなもの)が支払われる保険会社もあります。
保険会社の中には水災縮小支払いという特約を設けることで、保険料は安くなる代わりに水災の支払いも一定以上の損害にならないと支払わないという契約形態もありますので、ご不安な方は加入中の保険会社にお問い合わせください。
さて、では自分の家は水災を付ける必要があるのかどうか?
という問題ですが、まずはお住いの自治体HPにアップされているハザードマップを確認してみましょう。例えば「八王子 ハザードマップ」などと検索していただければすぐに見つかります。
ご自宅の場所を地図上で確認し、水害や土砂崩れのリスクを少しでも認められれば水災は必ず付けるべきだと考えます。特に地下室や半地下室をお持ちの方であれば、通常の家屋と比べ浸水リスクは高くなりますのでなおさら必要だと言えるでしょう。
他にも古地図でお住いの地区で「水」に関する記載や、ご自宅の近くに下水管の最終排水管が無いか調べるなど、確認する方法は多岐にわたりますが、基本はハザードマップを元にして水災加入の有無を判断していただければと思います。
火災保険の値上げ
報道でもご存知の通り、2021年1月より全国平均で6~8%の火災保険料値上げが保険会社各社より発表されました。今回のブログでは水災を取り上げて解説して来ましたが、異常気象を原因とする大風・大雨は今後ますます増えていく可能性があります。
保険会社としてもそれらへの支払いに対処していくため、値上げはやむを得ないといったところなのかなと思いますが、我々加入者にとっては経済的な痛手となってしまいます。
そこで、気を付けて頂きたいのは更新のタイミングです。
過去に加入した保険も将来的には保障が終了し、継続か他社か? といった選択の時期がやってきますが、人によっては今回の値上がりタイミングをうまく活用することで、保障の終了時期を待たず入り直した方が結果的に安くなるケースも多々存在します。気になる方はお気軽にご相談ください。
災害は来ないことが一番ですが、万一やって来た場合に十分な保障を受けられるお手伝いをさせていただければと思っております。
本日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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