奨学金を使うってどうなの?
こんにちは!
SPOONの中込です。
あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
おかげさまで、お正月は休みをいただき、のんびりと過ごすことが出来ました。正月休み明けから1週間経ちましたが、早いもので成人の日も終わり、お正月気分も徐々に薄まってきたのではないでしょうか。
さて、今日のブログは「奨学金を使うってどうなの?」と題し、奨学金制度について解説していきたいと思います。高校までは授業料も無償化となっていますが、大学は今のところ違います。さらにお客様からいただくご相談でも大変多い、お子さんの教育資金もその大部分が大学進学資金となっています。「奨学金があるからそんなに貯めなくてもいいんでしょ?」という意見もありますが、実際はどうなのでしょうか?是非最後までご覧ください。
一口に大学進学のための奨学金と言っても、様々な団体から諸学金制度は実施されていますので、まずは大きな違いとして「貸与型」と「給付型」について解説していきます。
給付型奨学金とは
基本的に返済義務のない奨学金です。難関私大などでは大学独自の奨学金制度も存在します。大学以外では自治体独自の奨学金もありI・Uターン就職で返済を免除といったものもあります。
また、交通遺児や住民税非課税世帯向けなどもあり、財団などの民間団体が実施しているものも数多く存在します。
貸与型奨学金とは
返済義務の存在する奨学金です。日本学生支援機構の奨学金がもっとも有名ではないでしょうか。利息無しの「第一種」と利息ありの「第二種」に分かれています。
どうせなら、返済義務のない給付型をもらいたいところですが、奨学金によっては毎年試験が実施されるものがあったり、医療系学部のみであったりなど、通うことになるお子さんの学力に左右されるものがほとんどです。
反対に貸与型は返さなくてはいけない反面、学業成績について給付型ほどうるさくはありません。しかし、「貸与型」であっても利息の無い第一種を利用する場合はお子さんの成績が関係してきます。どのくらいの成績が必要かというと、各教科5段階評価中3.5以上の成績が求められます。さらに、ご両親の収入にも関係してくるので、一般的な収入の方であれば気にする必要はないと思いますが、収入の高い方のお子さんは注意する必要があります。
ちなみに利息の必要な第二種ですが、現在は驚異的な低金利時代ということもあり令和元年度に貸与終了する方の利率は利率固定方式で0.1%~0.2%となっており、上限は3%です。
ここでこんな考えを持つ方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「うちの子は成績あんまりよくないから第二種かな…でも金利低いからいいか」
果たして本当にそうでしょうか?
奨学金の返済は基本的に大学卒業後(貸与終了後)7 か月目から始まります。在学猶予などの特例はありますが、普通に大学を卒業し、普通にストレートで就職すると7 か月目、つまり3 月に卒業した場合は10 月からスタートです。しかも返すのはお子さんです。
現代は以前のような就職氷河期とは違い、人手不足が叫ばれる時代です。そのため、仮に就職が決まったとします。会社員ですので奨学金の返済は当然給料からということになりますが、大卒の初任給は大体20 万円くらいです。運よくボーナスを大きくもらえる大企業に就職できれば良いですが、ほとんどの方は中小企業に就職することになるでしょう。中小企業の大卒初年度年収は大体300 万弱くらいです。
これはあくまで年収ですので、社会保険などを引かれた手取りとなると収入の8 割ほどとなりますので、300 万×80%=240 万円ということになります。これはボーナスのある場合を想定していますので、ボーナスが全くない企業の場合20 万×12 か月=240 万円が年収となり、240 万×80%=192 万円が手取りです。
お子さんの手取り年収が240 万円の場合は毎月使えるお金が20 万円
お子さんの手取り年収が192 万円の場合は毎月使えるお金が16 万円
仮に大学在学中の48 か月間(4 年)に毎月5 万円の奨学金を借り、貸与終了時の固定利率が0.1%だった場合。
毎月13,440 円を15 年かけて返済します。
もし、倍の毎月10 万円を借りていたら次のようになります。
毎月20,210 円を20 年かけて返済します。
「毎月1 万とか2 万なら余裕でしょ」と思うかもしれません。しかし、期間はそれぞれ15 年や20 年と長期にわたります。万一、一回でも延滞をしてしまったら、数年間あらゆるローンは組めません。さらに、奨学金も借金の一種ですので、各種ローンの審査には影響します。
個人的に思うのは、大学卒業したばかりの給料の少ないときに毎月1 万~2 万円の返済は非常にしんどいなと感じます。
上記の手取り16 万円の場合で、毎月2 万円返済するとそれだけで残りは14 万円です。一人暮らしをしたとして、家賃・光熱費・食費と支払っていくと手元に残るお金は一体いくらでしょうか…。
気軽に遊びに行くことも難しくなる未来が待っているのではないでしょうか?
今回は奨学金について簡単に解説して来ましたが、使うのも返すのもお子さんです。しかし、親として返済まで見据えた助言を行い、なるべく借りる金額は少なく、出来ることなら給付型を狙いに行くという道も示してあげることも重要だと考えます。お子さんへ教育資金の苦労をさせたくないとお考えの方は、今そして今日からできる貯蓄・節約をまずは実行し、どうしても奨学金を使う必要がある場合は親子でよく話し合い、お子さんの望む理想の教育プランを組み立てて行っていただければと思います。
本年もお金に関する様々な情報・知識を分かりやすく発信してまいりますのでどうぞよろしくお願いいたします。本日も最後までお読みいただきありがとうございました。