利上げとは何なのか?
こんにちは!
SPOONの中込です。
4月になったというのに先週は関東地方で雪の降る日もあり、寒暖の差が激しい一週間でした。今年は桜の定点観測も行っているので、お花見に出かけたいところですが、こう寒いとなかなか出かけず今日も事務所でブログを書いています。
さて、今回は最近ニュースでも話題となっている「利上げ」とは何なのか?
について解説していきます。
先ごろアメリカFRBが2019年中の想定利上げをゼロにすると報道がありました。ニュースをご覧になった方もいらっしゃると思いますが、一体利上げとは何なのでしょうか?
また、私たちの生活とどのような関係があるのでしょう。
「利上げ」とは日銀などに代表される各国の中央銀行が政策金利を上げることです。
政策金利は世の中の金利の動きと相関関係にあるのですが、一般的に政策金利を上げた場合(利上げ)消費は鈍り、下げた場合(利下げ)消費は拡大すると言われています。なぜ、政策金利を上下するだけでこのようなことが起こるのでしょうか?
例を挙げて解説していきます。
Aさんは3,000万円の新築戸建てを購入しようとしています。
しかし、手元に3,000万円のお金が無かったので銀行から借りることにしました。
住宅ローンの金利は1%で、返済期間は35年間です。
月々の返済は84,685円となり、返済総額は約3,556万円。金利部分の負担は約556万円ということになります。
では次に政策金利が上がり、住宅ローンを含む様々な金利が上がってしまったらどうなるのでしょうか?
利上げ前は1%で借りることのできた住宅ローンが2%と上がってしまいました。
月々の返済は99,378円に上がり、1%のころと比べ14,693円も上がりました。
返済総額は約4,173万円。金利部分の負担は約1,173万円と倍以上に増えてしまいます。
こうなるとAさんは色々と考えてしまいます。毎月15,000円ほども返済が増えてしまうとこれからの生活にかかるお金や、老後の貯え等も心配になり、結果的に新築を中古にしようか…やっぱり持ち家は諦めようか…と、消費は鈍っていくことになります。
反対に利下げがあった場合、住宅ローンを含む様々な金利は下がるので、一般的に消費は拡大されていきます。
今回は住宅ローンを例にあげましたが、自動車ローンや、会社が借りる法人用ローンなども同じ仕組みの中で動いているため、政策金利が上がっていくと、世の中でお金が消費されづらくなっていくのです。また、利上げの作用として一般的には利上げした国の株価が下落したり、通貨が高くなったりします。
例えば、もしアメリカが利上げしたとすると、アメリカの株価は下落し、ドルが高くなるため結果的に円安となります。
反対に政策金利が下がっていくと、お金が消費されやすくなっていきますが、今の日本を見ているとあながちそうも言えないなと思います。
現在の日本はマイナス金利を導入し、非常に低い政策金利となっています。つまり、消費が拡大されてもいいはずですが、皆さんの周りで最近景気のいい話を聞いたことがあるでしょうか?
現在日本は戦後最長の景気回復を成し遂げているそうです。しかし、景気回復の報道を見るたびに「本当かなぁ」と思ってしまいます。今年の10月には消費税の増税もあるため、ますますお金を使うことに躊躇する時代がやって来るのではないでしょうか。
今回解説した政策金利はその上下次第で、私たちの生活に大きな影響を及ぼします。今から10年以上前、アメリカで起きたサブプライムローンの問題からリーマンショックに至る過程でも、政策金利の利上げが少なからず影響を与えていることは事実です。
FRBが発表した2019年中の想定利上げゼロに関しては、大統領選前に株価の下落を避けたいトランプ大統領からの圧力なども影響しているのでしょうが、米中の貿易戦争やイギリスのEU離脱問題など不安定な要素が多い中で利上げに踏み切れなかったのも要因の一つなのではないでしょうか。
「利上げ」について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
私たちの生活に密接にかかわる「金利」の「基礎」になるものです。特に住宅ローン利用者とこれから投資を始めようと思っている方は是非覚えておいていただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。