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世界の年金ってどうなの?

こんにちは!

SPOONの中込です。

先日、久しぶりに地方でセミナー講師をつとめてまいりました。仕事柄なかなか地方出張というものが無いので貴重な経験をさせていただきました。関東近郊であれば出張セミナーも開催いたしますので、もしご興味がございましたらお声がけください。

さて、今日のブログは「世界の年金ってどうなの?」と題し、日本の年金制度との比較をしていきたいと思います。先日のセミナーでも老後2,000万円問題の話には多くの参加者から質問を頂きました。それくらい皆さんの関心が高い年金ですが、諸外国と比較した場合日本はどうなのか?についても是非知っておいていただければと思います。

諸外国と比較する前に日本の年金がどんなものであるか簡単に振り返ってみましょう。

日本年金機構(https://www.nenkin.go.jp/service/seidozenpan/shurui-seido/20140710.html)より抜粋

 上の図をご覧いただくとわかるように、日本の年金制度は2階建てとなっています。

図の中では3階部分もありますが、こちらは任意加入となります。以前のブログでも解説したような確定拠出年金(iDeCo)等が3階部分に該当するというわけです。したがって、会社員の方であれば2階建て部分も含めた年金が老後にもらえます。今のところ受給開始年齢は65歳ですが、今後68歳もしくは70歳での受給開始となることが予想されます。

日本の年金制度については概ねご理解いただけたかと思いますが、

今回の主題である主外国と比較した場合どのような立ち位置にいるのでしょうか?

世界の年金制度を比較する際によく登場するランキングに「マーサー・メルボルン・グローバル年金指数ランキング」というものがあります。これは、マーサー社が世界人口のほぼ3分の2を擁する37カ国について40の指標に基づき、年金システムが退職後の個人の財政状態の改善(十分性)につながるか、持続可能(持続性)かどうか、国民に信頼されているか(健全性)を評価したランキングです。

このランキングの2019年度ヴァージョンが発表されていますので、早速見ていきましょう。

気になる日本のランキングは37か国中31位でした。ちなみに1位・2位はそれぞれオランダとデンマークが獲得しています。

31位という順位についてどう考えるかは人それぞれですが、諸外国と比較した場合下位であることは事実です。では、なぜ日本の年金制度は諸外国と比較した場合、評価の低いものとなってしまうのでしょうか?

先ほどランキングについての解説の中で「十分性」「持続性」「健全性」の3要素を評価していると書きましたが、日本は37か国平均と比較すると「持続性」のポイントが特に劣っているのが現状です。

その理由としては、高齢化が進んでいる現在でも支給開始年齢は65歳のままということにあります。以前は一人の年金受給者を複数の現役世代で支えていくものでしたが、近い将来一人の年金受給者を一人の現役世代で支えて行かなければならなくなります。

さらに、「十分性」についても他国と比較すると劣っています。度々ニュースでも取り上げられる老後2000万円問題がまさにそうなのですが、年金のみで老後の生活を送っていくことは厳しいと言わざるを得ないでしょう。

では、今回のランキングで1位に輝いたオランダではどのような年金制度を採用しているのでしょうか?

年金構造は日本と同様2階建てとなっています。3階部分も存在しますが、あくまで個人年金としての機能となっているので、この部分は日本に近い存在と言えるのではないでしょうか。

受給開始年齢は2020年現在66歳からとなっており、日本より1歳遅くなります。ちなみに、2021年からは67歳とさらに遅くなることが決定しています。オランダでは平均寿命の延びに合わせ年金の受給開始年齢を上げる政策がとられているためで、今後も高齢化が進んだ場合、受給開始の年齢はさらに上がっていくことになるでしょう。

日本との違いはこれだけではありません。

「持続性」「十分性」に関する部分は、受給開始年齢を徐々に遅くすること以外に、毎月の年金保険料の高さにも違いが表れています。同じくらいの収入の方の年金保険料を比較した場合、日本とオランダでは実に2倍強の違いが存在します。

つまり、日本は積み立てる金額が少ない。オランダは日本の2倍強積み立てている。ということです。

個人負担がそもそも違うという点に注目すると、日本の消費税に相当する付加価値税がオランダでは21%となっています。

「国も企業も面倒は見るけれど、その分個人の負担もそれ相応に高い」という構造です。

現役時代に多くのお金を積み立てて、心配のない老後を過ごすか。

現役時代の積み立ては少なくして、老後のことはとりあえず先送りか。

まるでアリとキリギリスのお話ですが、諸外国と比較した場合日本の年金制度は現状のまま何も変わらない場合、キリギリスの生活となってしまう可能性は非常に高いと言わざるを得ません。

日本の年金制度改革は進行中ですが、先日の報道で2021年には企業年金を余命に併せて受給額の調整を図るという仕組みが導入されるそうです。今回導入される仕組みは企業年金の中でも確定給付型の終身年金に導入される予定です。

まずは、確定給付で様子を見て本丸である厚生年金・国民年金にもいずれ導入されることはほぼ間違いないでしょう。

「老後の備え・蓄えはとても大切です」

こんなことは誰でも知っています。しかし、具多的にどうやって貯め、どうやって節約し、どうやって「今」も楽しむか?は誰も教えてくれません。

何かを始めるのに遅すぎるということありませんので、本気で老後の備えに取り組みたい方は今日から始めることを強くお勧めします。もちろん私へご相談頂いても構いません。

一緒にプランを考えていきましょう。

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

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