BLOG ブログ

金は買った方がいいのか?

こんにちは!

SPOONの中込です。

 

ちょっと早いですが1週間ほど夏休みをいただきハワイへ行ってきました。日本はここのところ雨の日ばかりでしたが、ハワイは晴天に恵まれいいリフレッシュになりました。これから暑い夏が本格的にやってきますが、何とか乗り切れそうです。

 

さて、今回のブログは『金は買った方がいいのか?』と題して、安定資産の一つである「金」について解説していきたいと思います。日本にいると「円」を使い、ハワイに行くと「米ドル」を使いますが、「金」で物は買えません。しかし、資産になることは事実です。一体「金」とはなんなのか?

それでは行ってみましょう!

そもそもなぜ「金」には価値があるのでしょうか?

これについてはもはや説明不要だと思いますが、紀元前3000年ごろから使われ始め紀元前670年ごろには貨幣として使用され始めたようです。日本でも金印が見つかっていますので、太古から価値あるものとして人々に珍重され現在でもその価値は高いものだということが分かります。

 

皆さんは歴史の授業で『金本位制』という言葉を聞いたことはあるでしょうか?

太古から価値のあった「金」ですが、初めから貨幣として使われていたわけではありません。取引の歴史は物々交換から始まり、それが大変だということがわかると、皆が価値あるもので取引を進めようと「金」が登場します。しかし、「金」は重いです。大きな取引の場所に持っていくには、大量の「金」が必要となり、人々は新しい手段を考えます。それを兌換紙幣(だかんしへい)と言います。これは重たい「金」に変わり、各国の中央銀行が発行した「金」と同じ価値を持つ紙です。

取引の際相手に金を渡す代わりに兌換紙幣を渡すように変わっていきました。これを金本位制というのですが、各国の兌換紙幣発行量は「金」保有量に制約されるため、急激に輸入が増えるような状況になると、紙幣が無くなり物の価値が下がり、デフレを招いてしまいます。

急激に輸入が増えるような状況というのは戦争がそれにあたりますが、実際に第一次世界大戦の際に金本位制は停止され、その後の世界恐慌でイギリスの金はアメリカに流出し、第二次世界大戦、ベトナム戦争を経て現在では金本位制を採用している国は無くなりました。

 

そして現代では管理通貨制度というものが採用され、各国政府や中央銀行が発行する紙幣が「金」に変わって取引の主役になりました。紙幣の価値を決めるのはかつての「金」から各国の経済情勢・信用度・地政学的リスクなどに変わっていったわけです。先日書いたブログ、日銀の役割でもご紹介しましたが、中央銀行は世の中のお金の量を調節し、急激なインフレ・デフレを防いでいるのです。

 

さて、「金」から中央銀行発行の紙幣に価値が変わった現代ですがそれでもなぜ、「金」へ投資することは人気なのでしょうか?

 

「金」投資のメリットは大きく分けると3つあります。

1、株式に比べ価格が安定している

当たり前の話ですが、地球上の「金」には限りがあります。株式は発行しようと思えば無限に発行できます。そのため、相場の動き方は株式に比べ緩やかであり、世界的に将来が不透明な時期には「金」への投資熱が高まります。有事に強い「金」とよく言われますがまさにその通りです。

また、「金」は掘ってくるしかないので採算コストというものがあります。一般的に1オンス(約31グラム)1000ドルと言われていますので、極端な話この金額よりも「金」が安くなっていたら買いです。2019年7月上旬の米ドル/円相場だと大体108,500円くらいです。

 

2、国のリスクが少ない

「金」は通貨や株式と違って発行体がありません。すなわち、無国籍通貨のようなものです。そのため戦争の勃発や、国政選挙の結果が予想に反した場合でも、まったく無関係ではありませんが通貨や株式ほど影響はありません。現代のような目まぐるしく世界情勢が変化する社会では鉄壁と言える投資先かもしれません。

 

3、現物で保有できる

これはそのままの意味ですが、「金」は現物で金庫に保有できます。株式は電子化され、FXや仮想通貨も現物ではありません。

 

以上のようなメリットがあるのが「金」ですがもちろんデメリットも存在します。

一つ目のデメリットとして株式や通貨と違い利息や配当は一切ありません。二つ目に現物保有した場合盗難のリスクがあります。ここまではよくネット上でも言われることですが、私は上記以外に3つ目のデメリットもあると感じています。

 

それは、購入手数料が高いということです。よくCMなどで純金積み立てを見かけますが、総じて購入手数料が高いです。投資信託の中でも比較的緩やかな動きを見せるインデックス型株式投信と比べた場合、純金積み立ては購入手数料が2%強、投信は0.1%~となり商品が違うので単純比較はできませんが、購入コストだけを考えた場合非常に割高であるといえます。積立以外に一括での購入を考えた場合でも購入手数料はやはり割高です。

 

分散投資の観点だけで考えると「金」を選ぶことは有用であるといえるでしょう。しかし、これから資産を築いていこうという初心者の方はまず、投資信託や債券などの購入コストの低いものを上手に使い毎月積み立てを行い、一定の資産が出来た際に、逃げ場所として「金」を選ぶということでも遅くないと個人的には考えます。

そして逃げ先として「金」を選ぶ際も一括購入はせずに、採算コストを考えながら分割して購入していくことをお勧めします。

 

太古からある資産の一つ「金」ですが、現代においても変わらず高い価値を持つものです。ちなみに現在「金」は値上がりしています。それだけ世界情勢が混迷を極めているのかもしれません。「金」に逃がすか、別の商品を選択するか悩ましいところですね。そんな方は是非一度ご相談頂ければと思います。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございました。

SPOONに相談する!